公開日: / 更新日: / 情報確認日: 2026-07-12

電気代は「消費電力量(kWh)×31円」で自分で計算できる

「ドラム式の乾燥は電気代が高いのか安いのか」を調べると、サイトごとに違う金額が出てきて混乱しがちです。実は、この金額は自分の手で同じ手順から計算できます。使うのは、メーカー仕様表の「消費電力量(洗濯~乾燥時)」と、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金目安単価31円/kWh(税込)の2つだけです。

計算式は「消費電力量(kWh)×31円=1回あたりの電気代の目安」です。たとえばパナソニック NA-LX129ELの公式仕様では、定格洗濯乾燥時(標準乾燥モード)の消費電力量が800Whと表示されています。800Whは0.8kWhなので、0.8×31円で1回あたり約24.8円という目安が出せます(編集部試算)。

この手順を覚えると、電力会社のコラムに載っている概算を待たなくても、気になる機種のカタログから直接電気代の目安を出して横並びで比べられます。このページでは、仕様表のどこを見るか、単価をどう掛けるか、そして現行機種の公式値を使った横断整理までを順に確認します。乾燥方式そのものの仕組みはヒートポンプ式とヒーター式の違いで解説しています。

なお、31円/kWhはあくまでカタログ表示用の目安単価です。実際に支払う電気代は、契約している料金プランの単価、時間帯、洗濯物の量や乾き具合による運転時間の変動で変わります。ここで出す金額はすべて「同じ物差しで機種を比べるための試算」として読んでください。

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ステップ1: 仕様表の「消費電力量(洗濯~乾燥時)」を探す

最初のステップは、候補機種のメーカー公式仕様ページで「消費電力量」の行を見つけることです。商品紹介ページの特長説明ではなく、仕様・スペックと書かれた一覧表の中にあります。

「消費電力(W)」と「消費電力量(Wh)」を混同しない

仕様表には「消費電力(W)」と「消費電力量(Wh)」という似た項目が並んでいます。消費電力(W)はモーターやヒーターが瞬間的に使う電力の大きさで、電気代の計算には使えません。電気代の計算に使うのは、1回の運転で消費する電力の合計を表す「消費電力量(Wh)」の方です。たとえば日立 BD-SX130Mの仕様では、消費電力は乾燥1,240Wですが、洗濯~乾燥(標準コース)の消費電力量は約1,150Whと、別の行に表示されています。

「洗濯時」と「洗濯~乾燥時」の2つの数値がある

消費電力量は「洗濯時」と「洗濯~乾燥時」に分かれて表示されるのが一般的です。洗濯だけならNA-LX129ELで68Wh(約2.1円の試算)と小さく、電気代の大半は乾燥工程で発生します。乾燥まで毎回使うつもりなら「洗濯~乾燥時」の値を、乾燥をほとんど使わないなら「洗濯時」の値を使って比べます。

数値の横の測定条件までセットで控える

公式値には「定格容量のとき」「標準コースのとき」といった測定条件が付いています。パナソニックは標準乾燥モードと省エネ乾燥モード、日立は標準コースと省エネコース、東芝は標準と乾燥節電というように、同じ機種でもコースによって値が2つ以上表示されることがあります。あとで機種間を比べるときに条件を揃えるため、数値と一緒にコース名も控えておきます。

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ステップ2: 電力料金目安単価31円/kWhを掛ける

数値を控えたら、単価を掛けて金額に直します。ここで使う単価には公的な出典があります。

31円/kWhの根拠は家電公取協の目安単価

全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)は、カタログの電気代表示に使う電力料金目安単価を31円/kWh(税込)と定めています。令和4年7月22日にそれまでの27円/kWhから改定されたもので、メーカー各社がカタログで「電気代の目安」を示すときはこの単価を使っています。自分で計算するときも同じ単価を使えば、メーカー表示と食い違わない試算になります。

1回あたりの計算例

手順は、Wh表示を1,000で割ってkWhに直し、31円を掛けるだけです。NA-LX129ELの標準乾燥モード800Whなら、800÷1,000×31=約24.8円。ヒーター式のパナソニック NA-SD10UBL(1,980Wh)なら、1,980÷1,000×31=約61.4円という目安になります(いずれも編集部試算)。

月額・年額に換算するときは回数を掛ける

1回あたりの金額が出たら、生活での使用回数を掛けます。毎日1回、月30回乾燥まで使う家庭なら、800Whの機種は0.8kWh×30回=24kWhで月約744円、年365回なら約9,052円という試算です。同じ条件で1,980Whの機種は月約1,841円になります。共働きで毎日乾燥まで回す家庭と、雨の日だけ乾燥を使う家庭では、この掛け算の回数が大きく違うため、機種差の効き方も変わります。

繰り返しになりますが、これらは目安単価と公式の測定条件に基づく試算です。実際の請求額は契約プランの単価や燃料費調整、洗濯物の量・乾きやすさによる運転の延長で増減します。試算はあくまで機種選びの物差しとして使い、正確な金額は契約中の電力会社の単価で計算し直してください。

ステップ3: 現行機種の公式値を横断で比べる

計算方法が分かったところで、編集部が各メーカーの公式仕様ページで確認した現行機種の消費電力量(洗濯~乾燥時)を一覧にします。数値はすべて2026年7月12日時点でメーカー公式ページに表示されていた定格運転時の値、電気代は31円/kWhでの編集部試算です。

機種(型番)乾燥方式(公式表示)洗濯・乾燥容量消費電力量(洗濯~乾燥・標準)省エネ系コースの公式値1回の電気代の目安(標準・編集部試算)
パナソニック NA-LX129ELヒートポンプ式12kg/6kg800Wh(標準乾燥モード)620Wh(省エネ乾燥モード)約24.8円
シャープ ES-12X1ハイブリッド乾燥NEXT(無排気)12kg/6kg590Wh公式表示なし(要確認)約18.3円
AQUA AQW-DXS12Aヒートポンプ乾燥12kg/6kg950Wh公式表示なし(要確認)約29.5円
日立 BD-SX130MLらくはや 風アイロン(ヒートポンプ式)13kg/7kg約1,150Wh(標準コース)約680Wh(省エネコース)約35.7円
東芝 TW-127XP5Lヒートポンプ乾燥12kg/7kg約1,330Wh(標準)約670Wh(乾燥節電)約41.2円
パナソニック NA-SD10UBL低温風パワフル乾燥(ヒーター/排気式)10kg/5kg1,980Wh(標準乾燥モード)公式表示なし約61.4円

表の見方で重要なのは、容量も測定条件も機種ごとに違うという点です。日立は洗濯13kg、東芝は乾燥7kgと定格が大きく、パナソニックのヒーター式NA-SD10UBLは洗濯10kg/乾燥5kgです。定格容量時の測定値なので、厳密に同じ洗濯物量での比較にはなっていません。それでも、ヒートポンプ系の標準コースが590Wh~約1,330Whの範囲に収まるのに対し、ヒーター式は1,980Whと1段大きい水準にあることは公式値から読み取れます。

同じパナソニックの現行機種同士で比べると、ヒートポンプ式NA-LX129ELの800Whに対し、ヒーター式NA-SD10UBLは1,980Whです。試算では1回あたり約24.8円と約61.4円、その差は約37円になります。毎日1回乾燥まで使う想定なら月に1,000円を超える差の試算になり、乾燥の使用頻度が高い家庭ほど方式の違いがランニングコストに効いてくることが、公式値ベースで確認できます。

一方で本体価格はヒーター式や型落ちモデルの方が抑えめの傾向があるため、購入価格と電気代の試算を合わせて考えるのが実際の選び方です。型落ちを検討する場合の注意点は型落ち洗濯機を選ぶときの確認ポイントで整理しています。

関連: 型落ち洗濯機を選ぶときの確認ポイント

ステップ4: 標準コースと省エネコースを読み分ける

表を見て「同じヒートポンプなのに東芝や日立の標準値が大きい」と感じた人は、コース設計の違いに気づいています。ここが公式値を読むときの最大の落とし穴です。

標準コースの数値は「速さ」とのトレードオフ

東芝 TW-127XP5の標準は洗濯~乾燥が約87分、日立 BD-SX130Mの標準コースは約93分と、どちらも時短寄りの設計です。短時間で乾かすために電力を多く投入するので、消費電力量は約1,330Wh・約1,150Whと大きめに表示されます。標準コースの数値だけを並べると、時短設計の機種ほど不利に見えてしまいます。

省エネ系コース同士なら水準が揃う

同じ機種でも、パナソニックの省エネ乾燥モードは620Wh(165分)、東芝の乾燥節電は約670Wh(約215分)、日立の省エネコースは約680Wh(約200分)と、時間をかけるコースでは3社とも600Wh台に収まります。つまりヒートポンプ系の現行上位機は、時間をかけてよければ1回約19円~約21円の試算水準まで下がり、機種間の差はコース選択の差より小さくなります。比較するときは「標準同士」と「省エネ系同士」の2段構えで見るのが公平です。

方式の表示名にも注意する

日立の「らくはや 風アイロン」は名前だけでは方式が分かりませんが、公式仕様の乾燥方式欄とニュースリリースにヒートポンプ式と明記されています。シャープのハイブリッド乾燥NEXTのように複数の機構を組み合わせる方式もあるため、方式名の印象ではなく、仕様表の乾燥方式欄と消費電力量の実数で判断します。ヒートポンプ搭載機どうしの機種比較はヒートポンプ乾燥の洗濯乾燥機を選ぶにまとめています。

関連: ヒートポンプ乾燥の洗濯乾燥機を選ぶ

計算するときにやりがちな失敗

違うコースの公式値どうしで比べてしまう
A社の省エネコースとB社の標準コースを並べると、実力差ではなくコース設計の差を見ることになります。メーカーの仕様表でコース名まで確認し、標準同士・省エネ系同士で揃えて比べてください。片方にしか省エネ系の公式表示がない場合は、その旨を含みとして判断します。
乾燥容量を超える使い方を想定しない
公式の消費電力量は定格容量(乾燥6kgなら6kg)での測定値です。洗濯12kgで洗って乾燥6kgを超える量をそのまま乾かすことはできず、2回に分けるとその分の電気代と時間がかかります。家族の1回分の洗濯物量が乾燥容量に収まるかは、電気代の試算より先に確認したいポイントです。容量の目安はドラム式と縦型の違いを生活条件から選ぶでも触れています。
試算額を実際の請求額と同一視する
31円/kWhは全国一律の目安単価であり、契約プランによって実際の単価は上下します。夜間が安いプランで夜に回す家庭と、日中の単価が高い時間に回す家庭では、同じ機種でも支払額は変わります。試算はあくまで機種間の相対比較に使い、家計の見積もりには契約中の単価を当てはめ直してください。

関連: ドラム式と縦型の違いを生活条件から選ぶ

よくある質問

(電気代の計算)洗濯乾燥機の電気代は1回いくらですか?

機種とコースで大きく変わるため、候補機種の公式仕様にある消費電力量(洗濯~乾燥時)に31円/kWhを掛けて試算するのが確実です。編集部が確認した現行機種の公式値では、ヒートポンプ系の標準コースが590Wh~約1,330Wh(試算で約18円~約41円)、ヒーター式のNA-SD10UBLは1,980Wh(試算で約61円)でした。実際の金額は契約プランや使用条件で変わります。

(電気代の計算)31円/kWhという単価はどこから来た数字ですか?

全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金目安単価で、令和4年7月22日に27円/kWhから31円/kWh(税込)へ改定されました。メーカーがカタログで電気代の目安を表示するときに使う共通の単価なので、自分の試算にも同じ単価を使うとメーカー表示と整合します。

(電気代の計算)消費電力1,240Wと消費電力量1,150Whはどちらで計算しますか?

電気代の計算に使うのは消費電力量(Wh)です。消費電力(W)は運転中に瞬間的に使う電力の大きさで、運転時間の情報を含まないため、そのまま単価を掛けても電気代にはなりません。仕様表で「消費電力量」と書かれた行の、洗濯~乾燥時の値を使ってください。

(電気代の計算)標準コースと省エネコースのどちらの値で比べるべきですか?

両方を見るのが安全です。標準コースは時短設計の機種ほど消費電力量が大きく表示される傾向があり、標準値だけの比較では不利に見える機種が出ます。標準同士で速さ込みの水準を、省エネ系同士で電力量を抑えたときの水準を確認し、自分がよく使いそうなコースの値で判断してください。

(電気代の計算)乾燥を使わなければ電気代はほとんどかかりませんか?

洗濯のみの消費電力量は、編集部が確認した機種では55Wh~85Whの範囲で、31円/kWhでの試算は1回2円~3円程度です。電気代の大半は乾燥工程で発生するため、乾燥を使う頻度が電気代を左右します。ただし洗濯のみでも水道代は別にかかるので、ランニングコスト全体では標準使用水量も併せて確認してください。

(電気代の計算)公式値より実際の電気代が高くなることはありますか?

あります。公式値は定格容量・所定コースでの測定値であり、洗濯物が乾きにくい素材のときや部屋の温度湿度によって運転が延長されると、消費電力量は増える方向にぶれます。契約プランの単価が31円/kWhより高い場合も試算より高くなります。試算は下限保証ではなく比較の目安として扱ってください。

まとめ: 公式値で計算してから機種を絞る

洗濯乾燥機の電気代は、仕様表の消費電力量(洗濯~乾燥時)をkWhに直して31円/kWhを掛ければ、カタログの数値から同じ物差しで試算できます。編集部が公式ページで確認した範囲では、ヒートポンプ系現行機の省エネ系コースは600Wh台(試算で約19円~約21円)に集まり、ヒーター式の1,980Wh(約61円)とは水準の差がありました。標準コースの数値は時短設計の影響を受けるため、コース条件を揃えて比べることが大切です。

電気代の試算で候補の方式が絞れたら、次は仕組みの理解と設置条件の確認に進みます。方式ごとの仕上がりや本体価格の傾向はヒートポンプ式とヒーター式の違い、具体的な機種選びはヒートポンプ乾燥の洗濯乾燥機を選ぶで確認してください。なお、本ページの金額はすべて公式の測定条件に基づく編集部試算であり、実際の電気代は契約プラン・使用条件で変わります。購入前には最新の公式仕様ページで数値をご確認ください。

関連: ヒートポンプ式とヒーター式の違い

関連: ヒートポンプ乾燥の洗濯乾燥機を選ぶ

編集部が整理した候補

イチオシ パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129EL(2025年度モデル)

パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129EL(2025年度モデル)

パナソニックLXシリーズのフラッグシップドラム式。公式仕様で洗濯12kg・乾燥6kg、トップユニットヒートポンプ乾燥、トリプル自動投入を搭載。外形は給排水ホース含む幅639×奥行722×高さ1060mm、本体幅604mm。設置可能な防水パンは内寸奥行540mm以上と公式表示。扉は左開き(EL)・右開き(ER)を選べます。

ドラム式洗12kg / 乾6kgヒートポンプ

参考価格: 約28〜33万円(時期・販売店で変動。購入時に各ECでご確認ください)

2位 シャープ シャープ プラズマクラスター ドラム式洗濯乾燥機 ES-12X1

シャープ シャープ プラズマクラスター ドラム式洗濯乾燥機 ES-12X1

シャープのドラム式洗濯乾燥機の主力モデル。公式表示で洗濯12kg/乾燥6kg、乾燥は「ハイブリッド乾燥NEXT(無排気乾燥)」。液体洗剤・柔軟剤自動投入と温水極め洗いコースを搭載し、乾燥フィルターやドアパッキンなどの自動お掃除機能が充実しています。設置可能な防水パンは内寸奥行540mm以上と公式表示されています。

ドラム式洗12kg / 乾6kgハイブリッド

参考価格: 約30万〜40万円(発売時の市場想定価格396,000円前後・実売は時期と販売店で変動)

3位 AQUA AQUA まっ直ぐドラム ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DXS12A

AQUA AQUA まっ直ぐドラム ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DXS12A

コインランドリー機器と同じ水平ドラム構造を採用した「まっ直ぐドラム」シリーズの現行フラッグシップ。公式表示で洗濯・脱水12kg/乾燥6kg、ヒートポンプ乾燥。総外形寸法は幅595×奥行667×高さ943mm(排水ホース含む)と高さを抑えた形状で、タテ型洗濯機と同等程度のスペースに設置しやすいとメーカーが表示しています。液体洗剤・柔軟剤自動投入とお湯洗いモード、オゾンエアウォッシュを搭載。

ドラム式洗12kg / 乾6kgヒートポンプ

参考価格: 約19万〜30万円(オープン価格・市場想定約30万円、実売は時期と販売店で変動)

価格は変動します。リンク先で最新価格・在庫をご確認ください。順序は編集部が公式表示をもとに整理した目安です。